「あいの風」が吹く町。

 新潟の上越地方から海岸線沿いに北陸へと走って行きますと、特徴的な建物が目につくようになる。新潟の下越、中越地方の横張の木板に黒塗りした外壁の建物はとても個性的で魅力的なわけですが、上越地方から西へ行くと、建物の並び方、土地の区割りがものすごく特徴があります。
   縦長なのですね。京都の敷地割りのように細長い。京都の細長さは、道路に面して間口の距離によって課税評価される頃があったからとされるが、上越と北陸のこの間口の狭い家並みの理由は地元の人に聞いても分からなかった。

日本の風景 北陸 
富山県氷見市


  「あいの風」ステキなネーミングですね。この言葉は所々で目にする。「あいの風とやま鉄道」「あいの風プロムナード」とかね。富山県射水市で会った方に聞いたところ、海から吹いてくる風の事 と教えてもらった。 夏にこの風が吹くと家の北の窓や玄関から南へと吹き抜けて心地よいそうです。その教えてくれた方の家には、やはり京都のように中庭があるんだそうです。しかし、そんな「あいの風」が吹いた翌日は海が荒れる。とも言っていました。「荒れの風」よりも「あいの風」のネーミングで良かったな~。と思いました。

日本の風景 北陸 
富山県氷見市


 で、そうなんです。北から南へ細長い敷地に家が建っており、プラス連棟式のように隣と壁がくっついています。「隣の家の音は良く聞こえる」だそうです。この隣と密着した建物が連続してますと見事な景観です。坂道だろうが、カーブした道路沿いだろうが、壁がくっついています。壁がくっついているという表現より、隣家とは間仕切りの壁で繋がっているとでもいいますか。向こう三軒両隣どころか、10件ぐらいはお隣さんってかんじですかね。

日本の風景 北陸 
富山県氷見市


   私が思うに、建物自体が、極力、潮風と冬の北風に当たりたくなかった事と、寄り添って立てた方が、お隣の暖房で自分の家も暖たまり効率が良いし、建築費も節約できただろうし……


日本の風景 北陸 
富山県氷見市




 そんな町並みを、上越と北陸の海岸沿いの建物が、珍しくてどうしようもなかったので、沢山キョロキョロしてきました。

日本の風景 北陸 
富山県氷見市






                    「晴れ ときどき 写真。」
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